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古民家住宅リフォーム工事から学ぶ昔と今の家の話|群馬の有限会社カナイ工務店のブログ

2025/05/27

古民家住宅リフォーム工事から学ぶ昔と今の家の話|群馬の有限会社カナイ工務店のブログ

 

こんにちは、または始めまして! 群馬県エリアを中心に仕事をしています。 有限会社カナイ工務店です。

今回のブログからちょっと長文になりますが自分の知識の中での建築業界の知識やためになることなどを紹介しようかなと思います。

文脈もぐちゃぐちゃでわかりづらい点が多々あるかと思いますが見ていただけるよう一生懸命書いていきますのでお時間があれば目を通してください。

またたまに間違ったことも書いてしまうかもしれませんがが了承ください。

さて今回のお家は江戸時代から続くような築150年以上のお家を使いやすい段差の無いキッチン回りにするリフォームを行いました。

昔のお家いわゆる古民家住宅と今現在建てられているようなお家は何が違うかリフォームをするうえで気を付ける点は何かなど今回は実際に行った工事の状況の写真を踏まえてご紹介したいと思います。

1.解体工事でわかること

IMG_3865.jpg

上の写真が施工前の写真になります。

ここで解体工事のお話をする前に解体工事の前段階のお話をしたいと思います。

まず今回の写真を見てもらうと分かるように生活雑品が無いかと思います。

今回のお宅ではリフォームをする前にお施主さんの方でキッチンの中や周りなどを片付けておいてくれました。

これがとても重要なことで仮に自分なんかのような業者が一般ごみを処分しようとするとすべて産業廃棄物となってしまい捨てるのにそれなりの料金がかかってしまいます。

今回は一部屋分の解体工事ですがこれが一軒分解体工事を行う際に一般ごみを処分できてないと本当に嘘みたいな金額に膨らんでしまいます。

なので大きいものや重たいものなどは別として一般ごみとして市にだせるようなものはだしてもらうとそれだけでコストダウンにつながります。

特にお茶碗やコップなどのガラス陶磁器関係は産廃処分費用が高いので燃えないゴミの日などにだしてしまえば袋代だけですみます。

もっと言えば畳なんかも市や町などの焼却場に持っていく手だてがあればその方法が一番コストがかからないです。

今現在高齢化が進む中で空家をただ持っている方が増えていると思います。

コストの高い解体工事を行わないよう上のアドバイスは必見かと思います。

さぁここから工事のお話になりますがこのお家は何度かリフォームを行っていて現段階では数十年前のキッチン回りの雰囲気になっています。

使われている材料も同様に同じようなものを使用しています。

リフォームする上では解体工事は欠かせませんがここで注意する点があります。

約30年ほど前までは使用が許可されていた人体に影響がある物質が含まれた材料があります。

有名なもので言うとホルムアルデヒドや石綿などがあります。

そういったものが含まれている場合まずはリフォームをする前に検体に出し検査しなければなりません。

これは2024年の4月に正式に法律として決められました。

もちろん当工務店も情報が入った時にすぐに対応し石綿の作業主任者の資格と石綿含有建材調査者の資格を取得しました。

どのようなものに含まれているかというと壁や天井に使われている石膏ボードや壁や天井などの中にある断熱材などに含まれています。

石綿などはどのように悪いのかというともちろん種類により飛散状況なども変わりますが生活していくうえでだとシックハウス症候群、当工務店などの施工する側からしたらより吸引の可能性が高いためガンなどの重い病気のリスクも高まります。

なので解体工事の際はそういった点を十分に注意した方が良いですね。

そういった点を注意し解体していくとこのような状況になりました。

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床下は以前のリフォームする前の土間が出てきて囲炉裏なんかを使用できるようなくぼみもありました。

ここで心配事二つ目の白蟻被害を確認しましたが正面に見える大黒柱なども含めて被害にあっていなかったのでとても安心しました。

壊してみないとわからないのがリフォーム工事の怖いところです。

ここで白蟻被害を確認してしまうと消毒工事を追加で行わなくてはいけないのでもちろんコストアップにもなってしまうし

今回はキッチン回りのリフォームなのでここしか解体しないので他の部屋には潜って消毒を行わなくてはいけません。

最初から分かっているような被害状況の方がこういった場合は助かりますね。

話はそれましたが無事解体工事がきれいに終わりました。

今古民家改修なども流行っているのでそういった工事をする場合はこの土間と囲炉裏などを生かして行うのも良いかもしれないですね。

 

2.大工工事でわかること

解体工事も無事終わりここからが当工務店としても本業の大工工事になります。

上の写真で見た通り元々段差がとてもありご高齢のお施主様だったのですがとても危ないのが現状でした。

なので今回はこのキッチン、ダイニングスペースをフラットにして使いやすい台所をコンセプトにしたリフォーム工事になります。

なのでまずはフラットにするための床下地工事を行います。

まずこのお家に限らず古民家と言われているお家の作り方は現代からするとかなりアバウトになっています。

材料も曲がっているし材料は四角ではなく丸いし現代の建材を使用している自分からするとよく施工ができたなと思うほどです。

なのでまずは水平垂直を見れるレーザーで基準を作ってから今回は施工しました。

この時最終的な床高は勝手に決めるのではなく既存の壊さなかった隣の部屋などの床高との取り合いも考えなくてはいけません。

今回は接する部屋が3つあったのですがどれも床高が違ったため悩みましたがよく出入りする部屋の方が低かったため基準をそこにして工事を行いました。

そして洗面方面の入り口には階段スペースを設けて高さ解消を行いました。IMG_3872.jpg

現代の新築工事ではこの写真にあるような根太転がしの方法ではなく根太の下に敷いてある大引きという材料がもう少し細かく入った状況でその上に24㎜以上の合板を敷くネダレス工法が主流になっています。

詳しい話はまたの機会としますが当工務店ではそのネダレス工法はせずに根太転がしで床の骨組みを作ります。

簡単な理由だけ書くとするなら床の高さを細かく丁寧に見れるからです。

そしてこの根太の間に断熱材を入れてまずは下地のベニヤを上に張り床上げ工事が終了になります。

もちろん上の解体工事のところで書いたようにホルムアルデヒドなどの有害物質が含有されていない断熱材を使用しています。

大工の自分としても解体工事からこの床上げ工事までがリフォームの一区切りに感じているところです。

床高が決まってしまえばあとは天井もそれに合った天井高で施工すればいいし壁も床と垂直で考えればよいのでここまでが本当に骨組みを作るうえで神経を使います。

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そして根太の上にベニヤを張った状態がこちらになります。

床が出来上がれば天井も工事ができるので下地の骨組みを組み石膏ボードを張り天井も仕上がっています。

この時天井裏にも断熱材を施工します。

少々話すと現在当工務店では新築注文住宅工事を行う際は155㎜もあるとても厚いグラスウール断熱材を使用するか、有機性の発砲ウレタンの吹き付けを行っています。

もちろんコストなどの相談もあるのでどちらにするかは各お施主さんによって決められるようになっています。

IMG_3880.jpg

そしてこの上の写真は仕上げの床、壁の石膏ボード共に仕上がり大工工事が終了したときの写真です。

床はもちろんお施主さんが実際に使う仕上げのフローリングになっていますので養生として養生版とダンボールを使用しています。

昔は少しの傷ならと養生なんかはしなかったかと思いますが現代ではそうはいかないので仕上げの部分にはしっかりと養生を行い引き渡しまでに傷がつかないよう保護しています。

今回使用したフローリングですがフローリングを主に制作しているメーカーであるイクタが出している商品になっていてプリオスシリーズの介護とペットというものを使用しています。

こちらの商品は足が悪い方やペットを飼っている方に特におすすめしていて傷にも強く、他のフローリングに比べて滑りづらいものになっています。

表面は無垢のフローリングに似せた特殊なフィルムでできていて仮に爪などでがりがりしても傷がつかないほど丈夫になっています。

そのためペットに傷をつけられる心配も無いし、車いすや杖なんかで移動しても大丈夫です。

そしてお掃除もノンワックスなので市販のクイックルワイパーなどで大丈夫です。

もちろんカラーも色々あるのでお施主さんやそのお家の雰囲気に合ったものでの施工ができます。

ちなみに自分の自宅もこのフローリングを使用していますが傷がつきづらく住み始めて2年弱経ちますが目立った傷はありません。

無垢板ももちろん好きなので迷いましたがロングパフォーマンスを考えたときにこのフローリングにしました。

新築工事やリフォーム工事などで床工事を悩まれている方がいましたらおすすめの商品になっています。

そしてこれにてこのリフォーム工事での大工工事は終了になります。

あとはクロス工事やキッチン工事など専門の協力業者さんにお願いして当工務店は現場監督業になります。

当工務店などの工務店に頼むメリットとして、ハウスメーカーやリフォーム業者と違って担当などが無いことがあります。

大工工事が終わったからおしまいではなくその後の工事も責任もって工事を監督しダメなところがあればすぐ指摘します。

これがとても大事なことで

営業、監督、施工と全員違う人が担当していると必ずどこかで責任転嫁などが発生します。

その時に一番損をするのはお金を払っているお施主さんです。

こういったことがないよう当工務店では最初から最後まで工事に携わり責任をもって引き渡します。

小さいことかもしれませんがこれが本当に大事なことです。

もちろん工事後のアフターサービスも当工務店で行っています。

なので新築工事、リフォーム工事、外構工事などいろんな工事がありますがネームバリューやコストだけで決めず信頼したところに頼むのが一番だと自分は言っています。

 

3.まとめ

今回は古民家住宅のキッチンリフォーム工事を大きく二つに分けて工事の中での出来事やおすすめの商品、工事に対する知識として紹介してきましたがいかがでしょうか。

上の文を見返してみて今回は古い部分をあまり残さない行うリフォームだったので古民家の良い点を書いてないなと思ったのでここで書きたいと思います。

上で書いた通り昔のお家は寸法や施工方法がとてもアバウトで現代に寄り添ってはいないとは思います。

ですが太い大黒柱や玄関の大きい框、木製の建具、床の間など特に見えるところに関してはとてもかっこよく古き良き日本を感じさせます。

なので今回のリフォームする際なんかも大黒柱や大きい張りなど見せられるところは見せるように施工すると良い存在感が出る場合があります。

今回のお宅のように壊して新しいお家にするのは簡単に想像できるし住みやすさも格段に上がりますが同じ家を建てろと言われたら現代では建てられないと言ってもよいくらい大変だしコストがかかります。

当工務店のある渋川市白井も城下町の雰囲気があり築年数の古い家や蔵なんかも多々あります。

そんな中で古民家改修を行い、カフェをやっていたりするお店なんかもあります。

今の時代に逆行した良さがあふれ出ているのがお店の集客につながる場面もあります。

外部の漆喰や木部などの痛みが年々ひどくなり維持費は大変ですがこういった昔の建造物も残せる方は残してほしいなと思いますね。

そしてぜひ大事に住んでほしいと思います。

ちなみに工事自体がまだ終わっていないので完成写真が取れていません。

なので工事が終わり次第また完成写真を撮りブログなり別ページのギャラリーに掲載したいと思いますのでお時間がある方はぜひ見て行ってください。

 

今回のブログはいかがだったでしょうか。

最後まで読んでいただいた方にはとても感謝いたします。

反響が良ければこのブログ形式を継続させていきたいと思っていますので

コメントやメール、電話でも気になることがあれば言っていただければと思っています。

ちなみに細かい工事の進捗や近況などはインスタグラムなどで紹介していますので下のリンクから飛んでいただければと思います。

では今日はこの辺で

 

著者 有限会社カナイ工務店 金井慧太

経歴 高卒で群馬の施工管理会社に就職。昔から社長である父の影響から現場で実際に施工がしたいこともあり転職し21歳の時に大工になる。

群馬県内の一般住宅はもちろん寺社工事や工場工事など幅広く工事を行い経験年数10年に到達。

有限会社カナイ工務店のことや建築業界のことを知ってもらいたく2018年からブログの投稿を開始しました。

現在はインスタグラムのほうでも工事事例などご紹介しています。

群馬県内、隣接県での新築・リフォーム・お家のご相談がありましたらぜひ(有)カナイ工務店にご連絡下さい。